2012年 02月 22日
カーネーションと尾野真千子 |

数週間前に買ったカーネーションの花が萎れてきた。
今の時期の切り花は室温が低いため比較的長持ちするが
そろそろ限界を迎えたようだ。
NHKの朝ドラ 「カーネーション」 の主役、小原糸子も劇中で50歳を超え
いよいよ中年から初老の域に入ってきた。
当初は尾野真千子がそのまま老齢まで演じるものと思っていたところ
終盤となる3月3日放送分からは夏木マリに交代するのだとか。
このドラマが大阪局制作にもかかわらず
異例のヒット作となったその要因としては
実在の、それも服飾デザイナーという
女性の関心が高い人物がモデルであったことや
心の機微を丁寧に描写した脚本の素晴らしさも挙げられるが
何より尾野真千子の好演に依るところが大きかったことは
今さら言うまでもなく、誰しも意見の一致するところだろう。
尾野真千子の芸歴は決して浅くはないながら
民放の主演級女優と比べれば知名度の低さは否めない。
というところから
このドラマで初めてその存在を知った視聴者も多かっただろうし
だからこそ既成概念に捉われることなく
その演技を素直に受け入れることができたように思う。
彼女の演技については
とかく大阪弁(というか岸和田弁)でまくし立てる
姐御キャラのハマりどころが取り上げられているが
それもさることながら、表情の作り方が非常に巧い女優だと思う。
怒っている表情にしても
気分が悪い、カチンときた、腹に飲み込む…というような
いきおい同義になりそうな心情が
微妙な目の色によってそれぞれ演じ分けられていて
立ち位置に関係なく
画面を通じてはっきりと伝わるところが実に素晴らしい。
今回の成功からこの先、民放ドラマや映画などに
引っ張りだこになるであろうことは疑う余地もなく
主演ではないにしても、要所々でその存在感を発揮することだろう。
さて、そんな尾野真千子には
個人的にぜひ、彼女の主演で 「極道の妻たち」 のリメイクを望みたい。
あの映画が好きだったワケじゃないが
岩下志麻のおかしな関西弁ばかりが印象に残り
いまだ思い出すたびどうも釈然としないのである。
いやもうホントにあの岩下志麻はヒドかった。
アンタら、ワテをどこまで怒らす気ぃや!
それを言う岩下志麻の顔は恐ろしかったが
抑揚のおかしな関西弁のせいで啖呵の迫力も半減してしまい
映画そのものを台なしにしてしまったように思ったものである。
怒ったんはワテの方やで! ホンマ…
ということで、あれを尾野真千子でやってもらいたい。
もちろん川崎亜沙美をはじめ、その他の俳優陣もカーネーションからの流用で。
まあ、Vシネならともかく
今どきロードショーで任侠モノ(というかヤクザ映画)などあり得ないだろうが。
それはともかく 尾野真千子 → 夏木マリ という交代には
不安を感じずにはいられない。
半生を描くドラマに老けメイクはつきものである。
確かに白髪のカツラを被ったりシワを入れたりして
実年齢より30歳も40歳も上の役を演じることには
ムリがあるといえばそうなのだが
視聴者としてはそんなことも了解事項であるはず。
それより、いきなり大阪弁がおかしくなることの方が
よほど不自然さを感じるのではないだろうか。
というところ、果たしてどうなるか。
老齢に達した小原糸子が
岩下志麻のようでないことを祈るばかりである。

